社会福祉法人八起社は、令和6年11月、法人設立70周年を迎えました。
戦後すぐの昭和21年6月、海外からの引揚者や罹災した方々に、住居を提供し、職業訓練を行い、社会復帰を果たしていただくことを目的として、引揚者更生施設『引揚八起社』を創設し事業を開始。その後、社会福祉事業法の施行に伴い、昭和29年11月に、社会福祉法人の認可を受け、これまで70年間、事業を開始して78年余、多くの方々から信頼され、期待される法人を目指して、事業運営に取り組んできました。
平成26年に、60周年を記念して、先輩方が、それまでの60年間の「あゆみ」を纏められています。今般、その後の10年を追記し、70年間の「あゆみ」として小冊子を作成し、あわせて、ホームページに掲載することとしました。
社会福祉事業を取り巻く環境は、介護保険法が施行された平成12年以降、大きく変化しました。介護事業が、それまでの「措置」から「契約」へと変わり、社会福祉法人による事業独占から、多くの供給主体により事業が展開されることとなりました。また、平成28年に成立、平成29年に施行された、社会福祉法の改正では、「経営組織のガバナンスの強化」「事業運営の透明性の向上」「財務規律の強化」「地域における公益的な取り組み」をポイントに、社会福祉法人制度の見直しが行われ、改めて、公益性、非営利性の確保が求められることとなりました。
私どもは、この制度見直しを踏まえ、法改正の趣旨にふさわしい経営組織の構築、組織・事業の透明性向上、地域における公益的な取り組み、質の高い人材の確保・育成に取り組んできました。
そうしたなか、令和元年末、令和2年当初から始まった新型コロナウィルスによる感染症の拡大は、法人の施設運営に甚大な影響を与えました。新型コロナウィルスへの対応という未知の経験を、職員一丸となって乗り切ってきましたが、いわゆるクラスターが何度も発生し、ディサービス事業を休止する事態にもなり、大幅な収入の減、感染拡大への対応による支出の増による経営状況の悪化という、大変厳しい状況に追い込まれました。
令和6年度に入り、ウィズコロナ、アフターコロナの事業活動に徐々に戻りつつありますが、この5年間の経験を活かした事業活動・法人活動への展開が求められていると考えています。
八起社の名の由来は、設立当初の文書が見当たらないためはっきりしませんが、戦後からの復興に向け、新しい時代を担う方々と一緒になって、その役割を果たしていこうという熱い思いを込めて、『七転び八起き』からその名をつけたのだろうということは、想像に難くありません。
法人設立から70年が経った今、歴史ある八起社の伝統を肝に銘じ、日々全力を挙げて、ご利用者の皆さまの人権を尊重し、個人の尊厳を大切にし、悔いのない、実りある、心穏やかな生活を送っていただくことができるよう、職員一同、先駆者たちの思いをしっかりと受け止めながら、事業運営・施設運営に全力を挙げて取り組んでいます。
また、ご家族の方々、さらには、地域の皆様方からの信頼に、引き続き応えられるよう一層頑張って参ります。
気がつかれたことなど、たくさんのご意見を頂戴したいと思います。
日頃の皆様のご理解とご協力に感謝いたしますとともに、今後とも一層のご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
令和6年11月
理事長 長谷川弘之
利用者から、地域から、職員からの信頼と期待に応えます。
1 人権を尊重し、個人の尊厳を大切にしたサービスを提供し、心穏やかな暮らしを確保します。
2 地域社会への貢献を通じて、地域の皆さんから信頼されるよう努めます。
3 より良い介護を支える職員を育て、大切にします。